Specialスペシャル

今回のキャラクターソングシリーズのテーマが誕生日と聞いたときはどう思いましたか？

水瀬チノのバースデイ当日に中野サンプラザでライブイベントを行ったことがありまして（2015年12月4日　CHINO Birthday Party）。キャラクター名義で誕生日を祝ってもらいキャラソンを歌わせてもらえたという事は、なかなかないと思うんです。
　個人的には誕生日というとこのイベントを思い出すんですけど、『ごちうさ』の誕生日は、スタッフの方が毎年ケーキをかぶらないコンセプトで作ってくれて、その写真を見ながら「さすがだな！」って思ってます。今回のキャラクターソングはキャラクターが自分の誕生日を祝うということで、これまでは祝ってもらうものだったけど、それぞれが誕生日だよ！って発信でき、より一層キャラたちが生き生き感じられる楽曲なのかなと思いました。

中野サンプラザでのライブイベントも懐かしいですね。お父さん役である速水奨さんと一緒に歌を歌ったりしていました。

水瀬清川元夢さん（ティッピー役）がサプライズで登場してくださって、自分のおじいちゃんが来た！みたいな勢いで泣いてしまって（笑）。りえしょん、それにPandaBoYさんもいらっしゃってましたね。あとは生でラテアートを描いてくれたり。それに、自分の誕生日がチノの2日前の12月2日なので、チノファンの皆さんが私の誕生日を覚えてくれていたかはわからないんですけど、チノの誕生日兼、私のバースデイも祝ってくれた場だったので、自分にとってもチノというキャラクターがより大きくなった日でした。でも、そこからもう４年も経つのかって、今ビックリしてます（笑）。

水瀬さんはソロ名義でも誕生日の曲をリリースしていますが、誕生日に対しては強い思い入れがあるのかなと。

水瀬毎日誰かの誕生日って素敵なことだし、今日も誰かが歳を重ねていたり、新しい誕生があるかもしれない。結構子供の頃は誕生日って祝ってもらうことが嬉しかったんですけど、最近は両親への感謝というか。今回の楽曲のテーマもそれに近いものがあり、自分を産んでくれて、今日この日まで育ててくれている周りへの感謝をするのがバースデイでもあるのかなって。大人になって、周りから祝われるたびに思います。

ちなみに、チノの誕生日にしてあげるとしたら何をしたいですか？

水瀬難しいですね～。チノは何でも出来てしまう子なので…。『～Sing For You～』で緊張してしまうから歌が苦手というのはあったけど、それも超えていったし。精神的にもどんどん強く、大人の女性になってきているから、教えてあげることも少なくなってきたし、サプライズも全部見透かされてそうですよね…。でも、普段は接客をしたり、お店の看板娘として一生懸命働いているので、勤労感謝じゃないですけど、私がおもてなしをする…そんな１日を作ってあげたいなと思います。原宿とか渋谷とか、私も行くのはドキドキするんですけど、ああいうヤングな街に繰り出し、プリクラを撮ったり、流行りのスイーツを食べたりしてはしゃいでいるチノを見たいなぁと思います（笑）。

さて、収録曲の話ですが、「ハピハピ♪バースデイソング～チノVer.～」のレコーディングはいかがでしたか？

水瀬この曲は、それぞれのソロで違うパートがあったんです。そこが誕生日にちなんだ歌詞になっていたので、今までになかったことだなって思いました。共通曲って、合いの手とかも共通だから、最初はそれに戸惑いもあったんです。「そうです」とかはチノっぽいけど、「うん」とかはどう歌おうか悩んでいたんですけど、最近はそれも『ごちうさ』の音楽として、自分の中にスッと入ってくるようになりました。そんな中で、今回は歌詞でみんな違う誕生日感を出していたので、それを見たときに、「うわっ！すてき！」って鳥肌が立ちました。

ソロは冬の曲になるんですよね。冬だからこそ、クリスマスソングもあって。

水瀬「Tiny Christmas Party」はバラードっぽさもあり、幸せなクリスマスソングだからこその温かさ、小さな光でも温かく感じたりするようなものが詰まった楽曲になっていました。他の曲をレコーディングしているときに、「チノのソロ曲はどんな曲なんですか？」と聴いていたら、マライヤ・キャリーみたいなクリスマス曲が来ますよって言われて、「えーーっ！　どどどうしよう！」って思ってたら、『ごちうさ』らしいクリスマスへのアプローチだったので安心しました。最初は独唱から始まるのかな？とドキドキしていたんですけど、鈴の音だったり、楽器が重なっていくテイストは『ごちうさ』のクリスマス曲って感じで、胸が弾みました。雪が降って、イルミネーションがあって、木組みの街とクリスマスを想像しながら歌えて、すごく楽しかったです。

もう１曲の「winter＊gift」は泣ける曲ですね。

水瀬私も歌いながら、泣きそうでした。歌詞のパワーがすごいんですよ。『～Sing For You～』をご覧になってなくても心に響くと思うんですけど、見ていた方はよりグッと来るのかなって。（新作OVAは）香風智乃…香風家の物語でもあるので。
『ごちうさ』って、チノとココアの関係性が大きく描かれているんですけど、家にいる時間のお父さんとの何気ないやり取りというのも欠かせない部分になっていると思います。なので、お父さんに向けた曲を歌えたのはすごく嬉しかったです。ここまでチノというキャラクターを演じてきたからこそ、お父さんへの歌を歌えたのではないかなと思うので、ぜひ（お母さんの）「銀のスプーン」とともに聴いてほしいです。

歌ってみていかがでしたか？

水瀬私のオススメは最後のほうにある合いの手の部分です。本当に短い言葉、フレーズの応酬なんですけど、そこに込めたチノの想いにグッと来たので、あらためてチノとして歌うことができて良かった1曲になりました。

《（伝えます）》のハートマーク事件がありましたね。

水瀬あはは（笑）。私も覚えてしまったといいますか（笑）。ちょっとしたテクニックを覚えてしまいまして、《（伝えます）》のあとにハートマークが付いてしまう問題があったんです……。普段のチノのソロ曲だったら許容範囲だったかもしれないんですけど、そういったものではなく、チノがお父さんと過ごす時間の中で真っ直ぐ向けた思いだったので、そこに媚びはいらねー！っていう私の独断で、録り直しをお願いしました。

『～Sing For You～』、そしてTVシリーズ3期へ向けての思いを聞かせてください。

水瀬『～Sing For You～』は、TVアニメーションくらいのサイズだったんですけど、その中でも物語の展開がしっかりあってチノの周りのキャラクターの存在の大きさやあったかさをすごく感じるフィルムになっていたので、あらためてすごくていねいに大事に、スタッフの皆さんが作ってくれたんだなぁと思いました。なので来たる3期に向けて、みなさんにとっても大満足な作品になったんじゃないかなと思います。
　3期も、このやり取りを踏まえてさらにパワーアップしなければいけないというハードルが実はあるんですけど、スタッフの皆さんがきっと素晴らしい「かわいい」を届けてくださると思うので、そこに全力で応えられるように今から準備しておきたいなと、ちょっとした覚悟が芽生えてます！　こうなったらとことんかわいいを届けていきたいし、「かわいい部門では『ごちうさ』１番だよな！」って皆さんから引き出せるくらい全力で演じていきたいです。ここまで築いていた歴史、時の流れがあるので、そこを超えて新たな『ごちうさ』を見せられるように、頑張っていきます。