レコーディングレポート 茅野愛衣さん(モカ)
―――本日は、デュエットソングアルバムに収録される「ラ・ラ・ラ!ラ?モーニング」のレコーディングでしたが、モカさんがそこにいる!という感じで、とても明るくかわいい感じでした。
茅野:ありがとうございます。キャラクターソングで何が一番難しいかというと、感情の乗せ方で。自分が思っている以上に明るく歌わないと、声に乗らないんですね。こんなにニコニコ歌っているのに、その感じが声には乗ってないんだっていうのが最初衝撃でした。できるだけ声からも明るさや楽しさが伝わるようにしたいなって思っています。
―――そのあたりは、声優さんの仕事にも共通するのではないですか? 少し大きく演じるというか。
茅野:大きくやるものと、やらないほうがいいものがあるんですけど、歌の場合はディレクションしていただく方によって全然変わっていきますね。『ごちうさ』チームは、わりとみなさん「いいですね~」って感じで穏やかに任せてくださる方が多いので、うま~く野に放って頂いて「好きに動き回ってください」という感じでやらせていただいてます。
―――レコーディングは、かなりスムーズに行っていましたね。
茅野:私はだいたい声出しのときには感情を入れずに淡々と歌ってボリュームのチェックをするんです。そこから本番になったときに、モカさんの表情とかアニメで見ているモカさんの動きを想像しながらやると、表現しやすいというか。
―――モカさんが歌っている絵が浮かびましたよ。
茅野:それが一番うれしいです。モカさんなら、ここはこうやって歌っているだろうなって想像しながら歌っているので。歌手の方だと自分の表現になりますけど、私たちはキャラクターの表現になるので、いつも作品の中のモカさんに助けてもらいながら歌っています。
―――今回のチノとのデュエット曲「ラ・ラ・ラ!ラ?モーニング」ですが、曲を聴いた印象はいかがでしたか?
茅野:すごくキャラクターに沿って作ってくださっていることが伝わってくる曲でした。パンと言えばモカさんだし、珈琲と言えばチノちゃん。サプライズという言葉だったり、作中に登場する言葉が使われていたので、想像しやすかったです。
―――モカさん的には、チノも妹にしたくなったんじゃないですか?
茅野:もう妹みたいなものだし、みんな妹みたいな気持ちです(笑)。劇中で、ココアと寝てしまったときにチノちゃんがコーヒーを持ってきてくれたシーンがあったじゃないですか。あそこでチノちゃんが毛布に入ってくるところがすごく好きなんです! まさに両手に妹状態(『ご注文はうさぎですか??』第5羽:ひと口で普通のもちもちだと見抜いたよ)。
―――そんなチノを想像しながら歌ったんですね。
茅野:曲的にもすごく楽しい曲だったので、本当に耳に残る曲でした。
それに、もう1曲の「Fantastic Rabbit House」も耳に残るんですよ! 私どちらの曲も一番手に録ったので、両曲とも自分以外の方の声を聴けてないんですけど、あの曲に速水奨さんと早見沙織さんの声が入ったらどうなるんだろうって、とても楽しみなんです。速水さんが低音パートで〈パーティーパーティー〉歌っていると思うんですけど、きっと素敵だと思います。
―――「Fantastic Rabbit House」はまさに『ごちうさ』らしい、頭の中をぐるぐる回る曲ですね。
茅野:パーティーの準備をしてから終わるまでを1曲の中で表現しているんですけど、その光景が、すっと想像できる曲なんです。みんなを招いてサプライズするんだろうなぁって。準備の時間の楽しさが曲からも伝わってきて、歌っていても楽しかったです。
―――新作エピソード『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』が絶賛公開中ですが、お話的にはいかがでしたか?
茅野:いい意味で新鮮さというより、いつもの空間がそこにある感じでした。TVシリーズではモカがココアのところに行ってましたけど、今回はココアが帰ってくるというところで、どんな空気になるんだろうと思ったら、お母さんが思いのほか天然で(笑)、すごくかわいかったです。テキパキ働いているモカさんや子供にサプライズパンをあげるシーンを見ると、モカさんはどこへ行ってもモカさんだなって。久しぶりに演じましたけど、すごく幸せな気持ちになりました。あとスクーターに乗るシーンでは「キャラクターを忘れていい」ということで、モカさんが破天荒なことをしている姿が見られたので、うれしかったです。
ココアとモカの2人の会話は、モカさん的にウルッときちゃうところがたくさんありましたし、成長物語を劇場で見られることや、大画面で『ごちうさ』を見られるのは贅沢だなと思いました。
―――では最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
茅野:この記事を見てくださっている方の中には、きっと劇場に足を運んでくださった方も多いと思います。大変ありがたいです。私にとっては『ごちうさ』ってずっと近くにある近所のカフェみたいな、いつでも会えたり、行くことができる場所だという印象があって、終わる気がしないのはなぜなんだろう……不思議です。なので、またみんなでラビットハウスに集まってお茶を飲めるとうれしいです。劇場上映は続いていますが、また会えるときまで、このデュエットソングアルバムを聴いていただければいいなと思います。