『ごちうさ』に、どんな印象を持っていましたか?
高校1年生のときに『ごちうさ』の第1期が放送されていたんですけど、録画をして毎週見ていたんです。そのときはまだ声優ではなかったので、テレビの前で妹と一緒に癒やされていたなぁという思い出があります。
アニメは、声優を目指していたから見ていたのですか?
中学校2年生くらいのときにアニメに出会い、そこから声優さんだったりアニメが大好きになったんですけど、声優を目指すという気持ちは、最初そんなになかったんです。高校1年生の頃は、アニメを片っ端から録画して見ていた時期で、毎日帰ってきたら録画したアニメを見るのが習慣になっていたんです。その中でも『ごちうさ』は特に楽しみしていて、すぐに見ちゃう枠でした(笑)。
そんな『ごちうさ』の新キャラクターであるフユ役を務めることになったのですが、発表されたときの気持ちをお聞かせください。
実は世の中に発表されたタイミングの少し前に私も知ったんです。これから何をやるのかなぁというわくわくした気持ちがありつつ、長く愛されている作品なので、本当にドキドキしていたのを覚えています。それに一度だけ、『ご注文はうさぎですか? BLOOM』(第3期)の第7話で、ジャック・オー・ランタンの女の子役で出演させていただいたことがあって、それだけでも十分光栄だったのに、名前のあるキャラクターをいただけたことがうれしかったです。
高校生のときから見ている作品でしたら、なおさらうれしいですよね。
はい! だから妹もきっと喜んでくれるだろうなと思いました(笑)。
演じているフユちゃんはどんな印象の女の子ですか? 役作りで意識したことはありますか?
おとなしめで引っ込み思案な女の子、という印象があります。腹話術が上手ということだったので、そんな特技があるんだ!って驚いたのと、(腹話術で)複数の猫ちゃんになったりするので、それをどう演じようかなと思いました。あとはチノちゃんと同い年で、チノちゃんの昔に雰囲気が似ているところもあるんです。だから最初のほうのチノちゃんを見たりしました。そうやっていろいろなヒントを探しながら、役作りをしていました。
ボイスコミックスでは、実際に腹話術をしていましたが、いかがでしたか?
わりとチノちゃんはチノちゃんのキャラクターのままで腹話術をやっていたんですけど、フユちゃんは得意なので、がっつり声も変えて、いろんな声を出しました。
声を変えるのは、自分で考えて持っていったのですか?
猫ちゃんが1匹ではなかったので、変えたほうがわかりやすいかなと思ったのと、やっぱり腹話術が得意なので、きっと上手なんだろうなぁと思って、ガッツリ変えました。逆に「こんなに変えちゃって大丈夫かな?」と、少しドキドキしてはいたんですけど大丈夫でした。
もとのフユの声がどういう声なのか?と思うくらい変えていましたね。
腹話術ターンがけっこう長かったですよね(笑)。
収録は水瀬さんと一緒にできたそうですね?
はい。一緒にやらせていただきました。ただ、まだ本物だ!感があるんです(笑)。生で聴ける感動が最初に来てしまって、すごい! チノちゃん本物だぁって思ってしまいました。
最初はチノのセリフが続きましたからね。
それに収録当日は私が緊張してガチガチだったんです。水瀬さんとは共演もしていたんですけど、やっぱり見ていた作品ですし、ファンの皆さんの期待に応えたい気持ちが強くあって……。ただ、水瀬さんも話しかけてくださって、緊張がほぐれたという思い出があります。
チノちゃんを最初に演じたときが十代だったというお話もされていて、「何年も同じ役を演じているってすごいなぁ」と思いました。そんなにガッツリお話する時間はなかったんですけど、休憩の時間や帰り際にちょこちょこお話ができました。
実際完成した映像を見ていかがでしたか?
やっぱり「チノちゃんと話してる!」って思いました(笑)。完全にオタクみたいになっちゃいますけど、感動というか、『ごちうさ』の世界でお芝居できたんだなってすごくうれしく思いました。データもいただいたので、保存して何度も見ちゃいました。
何でしょう……やっぱり自分の中で声を想像しながら演じていたんですけど、本物を聞くとやっぱり感動しちゃいます(笑)。
(後編に続く)