『ご注文はうさぎですか?』TVシリーズ放送開始から5周年を記念して『ご注文はうさぎですか?』シリーズの楽曲を毎日一曲ずつ振り返りながらご紹介!!
No.190 「木もれび青春譜」
【収録 CD】ご注文はうさぎですか??~Sing For You~ チノ(水瀬いのり)、マヤ(徳井青空)、メグ(村川梨衣) 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●音楽プロデューサー藤平氏
本編の軸となる1曲だったので、どこまでチマメがメインの曲のようにするか、合唱曲としてどこまで本格的にするか、声の重なりをどこまで再現するかについてもの凄く考えて最後まで悩みました。
単純に合唱曲のような曲を制作するのであれば、曲調をわかりやすくすればよかったのですが、本編ではチマメ以外のキャラクターもいるのでそうはいきませんし、合唱であればパートも分かれてなければいけません。そうした細かな部分についても考えるために、歌い出しの指定とは別に、人数感やホールの広さなどについても監督から情報をいただきました。
実際に作業してみないとわからないことも多く、このぐらいのバランスがベストという落としどころを考えるのに時間を掛けて、メロとハモとラインの違う歌い分けも細かく設定しました。収録時にはラインの変化も多く、完成形が見えづらく、とても皆さん苦労されていましたが、それを時間内にきっちりこなす皆さんの歌唱力の高さに驚かされました。
特典の豪華な譜面もそうですが、レコーディングでも杉並児童合唱団の皆さんと指揮者も一緒にブースに入り、指揮をしながら収録していただいたことなど、ごちうさ楽曲史上もっとも大掛かりで壮大な1曲になったことは間違いありません。
●ライター塚越氏
杉並児童合唱団の合唱が入っているのが新鮮。少し客観的な視点で書くと、チノ、マヤ、メグはアニメのキャラクターの声で歌っているので、それと実際の合唱を合わせるのは難しいと思ったのだが、すごく自然に、どちらも立って聴こえてくるのが素晴らしい。どこかの学校の校歌としてあっても全然おかしくない曲だと思う。
チノのアカペラから始まる「~劇中歌Ver.~」も感動的だし、伴奏も豪華になり華やかな「~Sunlight through the trees~」も良い。
No.189 「「ラビットハウスへ行こうよ♪」のうた」
【収録 CD】ご注文はうさぎですか??~Sing For You~ ココア(佐倉綾音) 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●音楽プロデューサー藤平氏
本編で歌っている部分は元々歌詞も決まっていて、佐倉綾音さんが歌いやすいようにメロディと簡単な伴奏だけをこちらで作ってアフレコ時に収録していただきました。
そのアフレコ用のメロディからイメージを広げて作っていただいたのですが、この作品でこの曲だからこそ意識できたことがあります。それが“ココアが曲を作ったら”です。
キャラソン制作時のテーマとしては、“〇〇の気持ち・〇〇がこうだったら”などで作るとしたらそのワンシーンを切り取り広げることもあるのですが、今回はより印象的に本編に登場するシーンを曲で補足することでした。
歌詞ではチノのツッコミと同じ「パンのことしか歌ってない!!」と言わせることを意識しつつ、曲ではラビットハウスのテーマである部分を意識し、ココアのふんわりした優しいメロディに仕上げていただきました。
挿入歌が多い作品になるということは聞いていたのですが「ココアがこれだけしか歌わないのはもったいなさすぎる!!」そんな想いから作らせていただいた“スピンオフ曲”として楽しんでいただければ嬉しいです。
●ライター塚越氏
ココアがお風呂掃除をしながら歌っていたのが、この曲の一番最後のフレーズ。チノは変な歌(原作ではへんてこな歌)だと言っていたが、そこからこんなミュージカルのような名曲が生まれるとは……。『ごちうさ』の音楽チームはやはり素晴らしい。
アニメではその後のお風呂シーンでもこの曲が登場していて、ココアがチノを応援するために歌ってあげていた。そのときチノに、パンのことしか歌っていないとツッコまれていたが、サビを聴くと、しっかり『「ラビットハウスへ行こうよ♪」のうた』になっている。個人的にもかなりお気に入りの曲なので、いつかタカヒロさん、チノ、リゼと一緒に歌ってほしい。
No.188 「振り向けば月、いいえ団子。」
【収録 CD】ご注文はうさぎですか??~Sing For You~ 千夜(佐藤聡美) 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●音楽プロデューサー藤平氏
挿入歌を発注する時は、使用箇所に合わせた映像も用いた演出と曲だけでの世界観を重ね合わせ、使用されない部分ではどこまで振り切るかを心掛けて考えているのですが、今回この曲で出さなければいけないのは“出オチ”だとわかった時に、良い意味でどこまでふざけるべきかが悩みポイントに変わりました。
そういう意味では苦労という苦労はなく、唯一の苦労は演出意図を理解しつつ前口上の尺にイントロをハメきることぐらいでした(笑)
演歌でやはり重要な要素として詞が特徴的であることだったので、発注を畑亜貴さんにしたのは、より深いところで千夜を遊ばせてくれると考えたからです。
歌詞だけでも十分に遊びがあったのですが、そこにプラスして、佐藤聡美さんが曲の意図を理解してさらに表情豊かに遊びを入れてくれたので、すごく楽しいレコーディングだった記憶しかありません。特に最後のサビでの餡子味に対する哀愁や豊かな表情を魅せてくれている部分を聴いていただければ嬉しいです。
『~Sing For You~』のインタビューなどでありましたが、こういう曲がやりたいとお話しされていたからこそできた曲の一つです。
●ライター塚越氏
イントロを聴いていると、勝手に千夜のおばあちゃんの「現代のシェヘラザード、甘兎庵の看板娘が歌います」
という語りが聞こえてくる。出オチ感たっぷりの曲だけど、これを歌っていたときの千夜は、衣装込みで最強にかわいい。
本気で演歌を作っているのが曲からも伝わってくるが、畑亜貴さんの歌詞がやたらと面白い。〈もう一度だけ 食べたい餡子味〉のところで思わず吹いてしまった。そして、これまでの千夜曲にどれだけ和菓子が出てきたのか集計してみたくなった。ある意味軽い内容の歌詞でも歌っていると熱が入ってくるようで、最後の盛りに盛り上がった渾身の〈ああ想いが涙になって流れる 十五夜です〉は聴きどころだ。
No.187 「Hi Hi High☆」
【収録 CD】ご注文はうさぎですか??~Sing For You~ シャロ(内田真礼) 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●音楽プロデューサー藤平氏
この曲の悩みポイントはいくつかありましたが、その中でも一番の悩みは挿入歌としての尺が十分に取れないという点でした。(『木もれび青春譜』に比べると。)
本編の流れの中で急にこの曲が流れてノリノリになる、いわゆる口火を切る曲という点と、フルで聴いたら挿入歌だったことを良い意味で忘れてキャラソンとして楽しめるという点を両立させられるように意識して曲を発注しました。
『カフェインファイター』のイメージでも合うかもと思ったりはしたのですが、それだと一気に盛り上げるには十分な力が無かったので、シャロと同じテンションに持っていきやすい曲として、初見でも“合いの手”が出来ちゃうような、出来る限りわかりやすい曲にするという部分にこだわりました。
歌詞についても、みんなを応援しているよ!的な歌詞にすることで、より素に戻った時の恥ずかしさの印象が強くなると考えて発注しました。
本編で使用する際には、その場の空気が一瞬にして変わる強烈なイメージを与えることが一番大事だったので、デモ時点でどの部分をどう編集するとこのシーンにハマるかを想定しながら進行するのが難しかったです。
●ライター塚越氏
OVA『ご注文はうさぎですか??~Sing For You~』の挿入歌は、Blu-ray&DVDの特典としてハイレゾ音源で収録されている。
カフェインを摂取すると酔っ払うキャラクターだと知られてからハイテンションな曲は多い印象もあるが、この曲はハイテンションでありつつ、アイドルにも振り切った楽曲。シャロのボーカルの語尾の処理が完璧で、とてもかわいくなっている。この曲はチア風のコールから始まるのだが、曲の途中にもチア風のコールが入る「Hi Hi High☆ ~ハイテンションVer.~」も収録されている。シャロ親衛隊の方は、こちらで曲に参加するのもあり!
No.186 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー ~メグVer.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
ラストを飾るのはメグ。掛け声を台詞っぽく入れている部分はもれなくかわいいという仕様になっている。全体的にかわいいで埋め尽くされたボーカルの中で、〈かけあしリズム ゆっくりハーモニー〉は少しだけしっとり歌うところなのだが、こここそ最高のメグ味を感じるので、じっくり聴いてほしい。
このレビューを書くのに、ボーカル違いではあるが同じ曲を何回も何回もリピートして聴いているのだが、何回でも聴けてしまう。楽器もストリングスが目立ったり、ベースが目立ったり、かと思えばギターソロがあったりと、すごくにぎやかなのに何度でもお替りできてしまう。それがすごいところだし、歌って最高!と思える曲だった。
ちなみに、まだまだ聴きたい人は、OVA『ご注文はうさぎですか?? ~Sing For You~』のBlu-ray&DVD特典には、Petit Rabbit'sとチマメ隊バージョンが収録されているので、そちらもどうぞ。
No.185 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー ~マヤVer.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
ボーイッシュ元気なマヤのボーカル。マヤは掛け声上手という印象があるが、この曲も多彩な掛け声で、序盤の〈(さあね?)〉がやたらとかわいい。『ごちうさ』メンバーはみんなそうだが、本当に純粋な歌声なので、〈上手じゃない? 気にしない! 大きな声だして(みんなで声だしましょう)〉と言われると、恥ずかしがらずに歌ってみよう!という気持ちになれるし、背中を押してくれている感じがする。
No.184 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー ~シャロVer.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
シャロは新作OVAを見ているからかもしれないが、アイドル感がある「しんがーそんぐぱやぽやメロディー」になっている。そして掛け声部分はずっとテンションが高く、ほぼほぼコーヒーを飲んで酔っ払ってる状態になってるところが楽しい。シャロもココアと同じく、〈(歌おう)〉からの〈(らんらん)〉のところがかわいすぎる。
No.183 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー~千夜Ver.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
なぜだろう、始めは癒やしだと思っていた千夜のボーカルが、ちょっと怖さを感じてしまうようになってしまった(笑)。にこにこチノの応援うちわを作っているのかと思いきや、甘兎庵のメニューうちわを作ってたり、ミラーボールを持っていこうとするシーンを見ているからだろうか…。
千夜ボーカルはニュアンスたっぷりなので面白いところがたくさんあるが、ラストの〈(はい!)〉のところは、チノやリゼははっきり返事しているのに、ほぼ、“はーーい”になってて、少し軽くて面白かった。
No.182 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー~リゼVer.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
A~Bメロを男前に歌ってくれるところが、やはりリゼにしか出せない強さだなと思った。2番のAメロではリズムもちょっとゆったりとなるのだが、〈メジャーコード マイナーコードは〉のところが特に好きで、そこでの〈(どっちも!)〉の掛け声もカッコいい。力強さでいえば、ラスサビでもリゼらしさが発揮されていると思う。
No.181 「しんがーそんぐぱやぽやメロディー~チノVer.~」
【収録 CD】しんがーそんぐぱやぽやメロディー Petit Rabbit's with beans 2019年9月26日(木)発売
楽曲解説
●ライター塚越氏
本当にチノは、どんどん元気になっていく。そこに力強さも加わって、ココアの影響を受けてるんだなぁと出だしから感じてしまった。『~Sing For You~』ではみんなの前で歌うことに恥ずかしさを感じていたけど、何となくそれを克服したような前向きさを感じた。それと最後の〈空へとハロー ハロハローハロー 歌えば元気です!〉という言葉は、チノにこそピッタリな言葉だと思った。